導入要約

30秒クイック診断

当てはまる項目にチェック。数が多いほど「メモリー不足/空き容量逼迫/バックグラウンド処理」の可能性大。

定義/基礎：メモリー・ストレージ・スワップをやさしく

メモリーは「いま広げる作業台」、ストレージは「保管庫」。保管庫がいっぱいだと、作業台の一時置き場（スワップ）が足りず遅くなります。ユニファイドメモリー設計では画像／動画／AIの処理が同じ器を取り合うため、同時に重い作業をすると逼迫しがち。

• 重要なのはメモリプレッシャーとスワップ使用量の2点
• 「使用済みメモリ」の数値単体は気にしすぎなくてOK（キャッシュを有効活用）
• 復帰直後はバックグラウンド処理が動くため一時的な重さは正常範囲

最初の5分：安全診断フロー

1. 空き容量の確認：まず土台を整える。20〜30GB以上を目標に。
2. アクティビティモニタで俯瞰：メモリプレッシャー／スワップ／上位プロセスを確認。
3. ブラウザの切り分け：再起動→拡張一時オフ→体感差を比較。
4. ログイン項目／常駐の見直し：常時走るものを減らす。
5. バックグラウンドのタイミング：索引／写真解析／同期の進行状況を把握。

アクティビティモニタ：ここが分かれば9割進む

ポイントはメモリプレッシャーの色とスワップ量、そして上位プロセス。この3点で犯人を特定します。

すぐ効く対処（忙しい日常で無理なく）

ブラウザ別の軽量化

どのブラウザでもタブ数と拡張機能が体感に大きく影響します。用途を分け、必要なときだけ機能を有効化しましょう。

• 拡張は用途ごとにプリセット（会議用／編集用など）
• パフォーマンス省メモリ系の設定を活用
• 同時に開くタブの数を決める（ウインドウ分割も有効）

空き容量とスワップ：遅さの根っこを断つ

空き容量が少ないほどスワップが増え、体感の遅さが強くなります。まず20〜30GBの空きを目標に、カテゴリ別に整理しましょう。

写真／索引／バックアップ：見えない重さへの理解

復帰直後や電源接続時は、写真解析・検索索引・バックアップなどが動作して一時的に重くなります。完了すれば軽くなります。

• 写真解析：顔／被写体の自動認識は時間がかかる
• 索引（Spotlight等）：OS更新や大量移動後に再作成
• バックアップ：初回／大変更後は長時間化。I/O競合に注意

重いアプリ別：動画／写真／会議／仮想環境

安全なお掃除：やって良い vs やめたほうが良い

上級ターミナル（自己責任）

# メモリの概況
vm_stat
top -o mem

# 索引状態
mdutil -a -s

# バックアップ進行
tmutil status

# 起動エージェント
launchctl list | head -n 30

# 電源/スリープ関連
pmset -g assertions

数値の暗記は不要。「いま何が重いか」のヒントを得られれば十分。

設定で体感UP（小ワザ集）

• Dockの拡大／アニメーションを控えめに
• デスクトップのアイコン数を減らす
• 通知は重要アプリだけに
• 壁紙／スクリーンセーバーは静的に

設定の微調整は「キビキビ感」を上げます。根本は常駐削減と空き容量の確保です。

スリープ復帰/セキュリティの観点

• 復帰直後はバックグラウンド再開で重くなるのは正常
• 周辺機器の多段接続や不明なプロファイルに注意
• 突然のポップアップ／検索乗っ取りは対処を

最終チェックリスト（今日からの運用ルール）

• 同時に開くタブは上限を決める（例：20）
• 拡張は用途別プリセット化→必要時のみオン
• 月1回：ダウンロード／DMG／ZIPの整理
• 外付けSSDを作業用に用意（写真／動画は外付け）
• 定期バックアップ（Time Machine等）
• 空き容量は常に20〜30GB以上

ケース別シナリオ：状況ごとの最短解

週次・月次ルーティン

メモリー節約の設計思想

1. 同時にやらない：マルチタスクをやめ、バッチ処理へ
2. 常駐を減らす：起動項目／メニューバーの厳選
3. 速い外付け：作業用SSDで内蔵の空きを保つ

買い替え基準（容量・用途・予算の落としどころ）

メモリーは後から増設できないモデルが主流。「いまの不満」+「1〜3年の伸びしろ」で判断。

よくある誤解を正す

• 「使用済みメモリが多い＝悪」は誤解（キャッシュ活用）
• 「キャッシュを全削除＝速い」わけではない（再生成で遅くなることも）
• 常時クリーナー常駐で不安定化する場合がある

覚えておくと楽なショートカット

• ⌘ + Q：アプリを完全終了
• ⌘ + Option + Esc：応答なしを強制終了
• ⌘ + Space：検索から素早く起動

チーム／会社での運用

• 拡張／常駐の標準セットを決める
• 整理日を定例化して周知
• 外付けSSDの型番／フォーマットを統一

FAQ：よくある質問（30項目）

キーワード辞典（検索意図を網羅）

グロッサリー（やさしい用語集）

• メモリー：作業台。
• ストレージ：保管庫。
• スワップ：作業台が足りないときの一時置き場。
• 常駐：裏で常に動くアプリ。
• ログイン項目：起動時に自動で立ち上がる設定。
• バックアップ：元に戻せる保険。
• タブグループ：用途ごとにタブを束ねる機能。
• プロキシ：軽い素材に置き換えて編集する方式。
• レンダーファイル：動画編集で生成される中間ファイル。
• プラグイン：機能を拡張する部品。
• アドウェア：不要広告を出すソフト。
• プロファイル：構成情報の束。
• I/O：読み書きのこと。
• ユニファイドメモリー：CPU/GPU等で共有する設計。
• メモリプレッシャー：逼迫度の目安。
• スワップ使用量：退避の度合い。
• 上位プロセス：資源を多く使うアプリ群。
• 仮想背景：会議で背景を置き換える機能。
• Thunderbolt：高速接続規格。